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京都市産業技術研究所×大原パラヂウム‐対談vol.2‐

前回お届けした🔗京都市産業技術研究所様と大原パラヂウム化学の対談の後編をお届けします。知恵創出‟目の輝き”企業認定に関する事や、未来への希望などお話させて頂きました。

永山:大原パラヂウム化学様の知恵創出‟目の輝き”企業認定に関しての理由は、公開されている通りです。

時代のニーズに合わせて産技研が「技術」的に支援させていただき、PCPを使ってこれまでにない新しい消臭材を作ろうとされた事自体が素晴らしいと考えています。困難な技術課題にチャレンジして、扱いにくい原料を社会実装するために製品化していくオリジナリティのある技術が出来上がりました。分析方法も含め新しかったです。そのような取組みに、産技研も技術で支援できた点が良かったです。

大原:過去の選定企業も含め、認定を通じて出来た実績や、今後期待することは?

永山:認定制度を開始して10年目で、認定対象の技術によりフォーカスしました。今後もより技術の凄みを洗い出して打ち出していきたいと考えています。10年すれば社会ニーズも変わってきています。それらにどう対応していけるか。そこを産技研としてもサポートしたいですね。産技研ユーザーズコミュニティ(UC)を立ち上げたので、そこでの京都のコミュニティを活かして繋がりを増やし深めていきたいと考えています。継続的な進展、発展、進化をもって事業の発展に寄与したいです。

 :弊社は主に繊維関係の会社とお付き合いをしてきましたので、PCP関連は客先探し等、ほとんど全てがゼロからとなります。また、我々の製品を更に客先との取組みを通じて変形させていく必要が多々あります。PCPが様々なガスにマッチする性質もあるので、多種多様な会社に対応して行かなくてはなりません。そのためにも色々なガスに対する公的な資料が必要になり、一層、産技研様との深い繋がりが重要となります。弊社が従来から得意とする繊維製品については、UCでの繋がりは非常に貴重であり、新しい波紋を広げるという意味でUCに期待しています。

‟目の輝き”企業認定を頂いてから半年足らずですが、出会いの幅は本当に広がり、様々な会合に呼ばれることも増えました。それも含めてUCでの繋がりにも期待したいです。

永山:緒方研究員が良い技術に出会ってくれて良かったと思います。大学シーズを活かすのは本当に難しいことです。さらに、社会実装にまで持っていくのは本当に難しいことなのです。突き抜けた材料を活かして、社会実装へ向けて一歩踏み出されたのは素晴らしいです。先行して取り組めていることは大きなメリットであり、イノベーションにつながります。新しいことを創るという現場意識にも繋がります。

:色んな意味でチャレンジと実行が必要ですね。製品の形を変える等、形体を増やしていくことも必要になっています。チャレンジすることで見えてくるビジョンもあり、粒状だけでなく、それを用いたフィルターやスポット脱臭機の作成などトライしています。それによる引き合いも増えてきています。モノを変え続けてチャレンジすることは大事だと実感しています。

:当社の開発品をUCも含めて異業種に繋いでいって頂きたいです。それに大原パラヂウムも応えていきたい。異業種への繋がりを期待しています。

永山:UCは、会員同士が触れ合えるフラットなものです。皆さんが動きやすいようにしていきたい。1対1での繋がりだけではなく、イベントなどを通して繋がりを増やして頂きたいです。UCの外にも勿論コミュニティがあり、外のコミュニティとの繋がりも意識したいと考えています。別コミュニティとどんどん触れ合っていくことで、アメーバ的に広がっていってほしいですし、皆さんの声と活動が動きやすくなるようにしていきたいです。

外部コミュニティとの連携強化という意味では、支援機関同士でのコミュニティは常に意識しています。外と横連携を強めていきたい。それぞれが持っている課題をオープンにし合いたいですね。

永山:大原パラヂウム化学様も来年100年を迎えられるとのことで、産技研も8年前の100周年の時が節目となり、現在中心となって活動している職員がこれまでの歩みを振り返ることで、公設試としての使命を改めて考えるよい機会となりました。貴社におかれても、100年続く企業としての誇りとともに、現場を支えている方々が、これまで以上に企業活動を振り返ることは、「エンゲージメント」の向上につながる大切なことかなと思います。これからの100年も、現場や若い方々とのコミュニティ、そして何よりも技術を大切にして、不確かな時代を乗り越えていきましょう。