• 心地よい生活のヒント

雨と香りのいい関係

A love letter to rainy days.

雨の日が続くと、少し気分が重くなることがあります。

朝から空はどんよりしているし、外出には傘が必要。洗濯物も乾きにくく、何かと不便に感じる日もありますよね。

でも、雨が降ったあとに外に出ると、「いつもと少し違う匂いがする」と感じることはありませんか。

濡れた土や草木の匂い、アスファルトの少しひんやりした匂い。雨上がりの空気には、晴れの日とは違った清々しさがあります。

実は、私たちが「雨の匂い」と感じているものには、ちゃんと名前があります。

「ペトリコール」。

乾いた大地に雨が降ったときに感じる、独特の香りを表す言葉です。

また、土の中の微生物がつくる「ゲオスミン」という成分も、雨上がりの土の匂いに関係しています。

そして今、この「雨の匂い」が香りの世界でも注目されています。

2026年は、海外のフレグランスメディアでも「ペトリコール」をテーマにした香水が取り上げられるなど、雨や濡れた土、自然を思わせる香りがひとつのトレンドとして注目されています。

甘く華やかな香りだけではなく、雨上がりの土や森、湿った空気のような、少しリアルで自然を感じる香り。

そうした香りが今、香水の新しい楽しみ方として広がっているようです。

では、なぜ私たちはこうした自然の匂いを心地よく感じるのでしょう。

森に入ったときの木々の香りや、雨上がりの土や草の香りを嗅ぐと、なんとなく気持ちが落ち着いたり、深呼吸したくなったりすることがあります。

近年は、自然の匂いとリラックスやウェルビーイングとの関係についても研究されています。

もちろん、特定の香りを嗅ぐだけで健康になる、という単純な話ではありません。

けれど、忙しい毎日の中で自然の香りを感じる時間は、気分を切り替える小さなきっかけにはなりそうです。

そう考えると、雨の日に窓を少し開けて、外の空気を感じてみるのも、ちょっとしたリフレッシュの時間なのかもしれません。

そして最近は、そんな「雨」や「自然」を思わせる香りを、香水でも楽しめるようになっています。

雨の香りを、香水で楽しむ

自然の中に出かけなくても、そんな感覚を香りでそばに置いておくことはできます。

実際、香水の世界でも「雨」や「自然」をテーマにした香りは以前からつくられてきました。なかでも最近、海外のフレグランスメディアで注目されているのが「ペトリコール」をイメージした香りです。

2026年には、海外のフレグランスメディアでもペトリコール系の香水がトレンドのひとつとして取り上げられています。雨上がりの土や湿った空気、緑の香りなど、自然を思わせる香りへの関心が高まっているようです。

甘いフローラルやフルーティーな香りとは少し違う、自然そのものを感じさせる香り。

今回は、そんな「自然を感じる香り」の中から、雨の日に楽しみたい4つをご紹介します。

雨そのものを感じる香り

実際に香りを体験したので紹介していきたいと思います。

まず紹介したいのが、ル ラボの「BAIE 19(ベ 19)」。

ブランド自身が、この香りを「ペトリコール」を表現したものとして紹介しています。長く雨が降らなかった大地に、最初の雨が降ったときに感じる、あの独特の空気感。

雨そのものを香水にするとしたら、こんな香りなのかもしれない。

そんなふうに思わせてくれる一本です。

雨の匂いが好き、という人はもちろん、「甘い香水は少し苦手」という人にも試してほしいタイプの香りです。

雨上がりの空気をまとう

もうひとつ、雨の日にぴったりなのが、メゾン マルジェラ フレグランスの「レプリカ オードトワレ ウェン ザ レイン ストップス」。

REPLICAは、香りを通して特定の時間や場所、記憶を呼び起こすことをコンセプトにしたコレクションです。

雨が止んだあと、空気が少し澄んで、街や草木がいつもより近く感じられる。

そんな「雨上がりの時間」を、香りで楽しむ感覚に近い一本です。

「雨の匂いそのもの」だけではなく、雨が上がったあとの景色や、そのときの記憶まで含めて楽しめるのが面白いところです。

森の中で深呼吸するように

雨から少し離れて、もう少し深く自然を感じたいなら、Aesopの「Hwyl(ヒュイル)」。

こちらは雨を直接表現した香りではありませんが、ヒノキの森を思わせるスモーキーな香りに、サイプレス、フランキンセンス、ベチバーなどが重なります。

雨上がりの森を歩いているような、静かで落ち着いた雰囲気を楽しめる香りです。

雨の日は、外に出るのが少し億劫になりがち。

そんな日に、家で森を感じるような香りをつけてみるのも、いつもとは違う楽しみ方かもしれません。

植物の記憶を香りに

最後は、Diptyqueの「Philosykos(フィロシコス)」。

イチジクの葉、イチジクの木、果実など、一本のイチジクの木そのものを表現した香りです。

この香りの背景にあるのは、ギリシャのペリオン山で過ごした夏の思い出。海へ向かう途中に通り抜けた、野生のイチジクの木立がインスピレーションになっています。

雨の香りではありませんが、こうして自然の中の植物を香りで感じてみると、「香りは、その場所の記憶を持ってくることができるものなんだ」と改めて感じます。

雨の日に雨の香りを選ぶのもいいし、森や植物の香りを選んで、少し気分を変えてみるのもいい。

香りの楽しみ方は、季節や天気に合わせて、もっと自由でいいのかもしれません。

雨の日こそ、香りに意識を向けてみる

香りは、目には見えません。

だからこそ、忙しい毎日の中では、つい忘れてしまう感覚でもあります。

でも、雨が降ったときに窓を少し開けてみる。

雨上がりの空気を感じてみる。

好きな香りをひと吹きしてみる。

それだけでも、いつもより少しだけ自分の感覚に意識を向ける時間になります。

自然の香りが心地よく感じられる理由については、ストレスやリラックス、ウェルビーイングとの関係も研究されています。

香りだけですべてが変わるわけではありません。

けれど、「今日はこの香りにしよう」と選ぶことや、ふと立ち止まって香りを感じることは、日常の中で気持ちを切り替える小さなきっかけになります。

雨の日は、どうしても「できないこと」に目が向きがち。

でも、雨の日だからこそ感じられる匂いもあります。

次に雨が降ったら、少しだけ窓を開けてみる。

そして、いつもよりゆっくり息を吸ってみる。

そんなふうに、雨の日の香りを楽しんでみるのもいいかもしれません。