- カガクのこと
シモンドのエジプト通信vol.2-砂漠の緑化農業を担う-

みなさんは、様々な機能を持つ「ホホバオイル」を手に取られたことはありますか。そんなホホバオイルで「砂漠の緑化農業」に取り組み、地球の環境保全ビジネスを展開している阪大発・ベンチャー企業株式会社シモンドがあります。
当社は、株式会社シモンドの理念と活動に共感し、繊維の分野で支援するべく🔗繊維用ホホバ油柔軟剤 パラシモンJOを開発しました。
今回のコラムでは、株式会社シモンドの土本様をお招きし、エジプトの現況から、同社の「持続的な緑化農業」に向けた取り組みなどを全3回にわたって掲載します。
今回の第2弾では、「砂漠の緑化活動」に関するお話をお伺いしました。
砂漠緑化を始めた背景
21世紀となってから4分の1が過ぎましたが、気候変動が確実に進んでいます。2024年の地球の平均気温は観測史上最高で、19世紀から1.5度以上の上昇となりました。
大気中のCO2濃度は産業革命前の1.5倍になっています。2024年のエネルギー関連のCO2 排出量は380億トン、1900年の20倍近くです。IPCCは温室効果ガスが気温上昇の主な要因である可能性が非常に高いと結論しています。
以前から、気候変動により洪水や豪雨、生態系の損失などが起こることが予想されていましたが、世界各地での洪水やサンゴの白化など、それが現実のものになりつつあります。
温室効果ガス削減に世界各国が努力していますが、経済的にも技術的にも課題が多く難航しています。そのためシモンドは砂漠緑化でそれをサポートする事業を始めたいと思いました。

砂漠では水が貴重です。水の浪費は少ない水資源の枯渇を招きます。緑化にはまず、水をあまり必要としない木を植えることが大事です。
また持続的に緑化を続けるためには、 現地の人達と一緒に進めていくことが重要です。私たちは、そのためには現地の人達が幸せになるような緑化であることが必要と考えました。
砂漠地帯には経済的に苦しい人達が多く暮らしています。そのような人達が一番望んでいるのは現金収入です。利益を生む木を植えることが現地の多くの人達の希望であり、幸せを感じてもらえる道ではないかと考えました。私たちはこれを「緑化農業」と呼び、現地の人達に進んで砂漠緑化を維持拡大してもらえる、緑化に貢献できる新しいビジネスと考えています。
植える木
植える木は、長い年月栽培することができて、収穫するときも伐採する必要の無い果樹であることが条件になります。

持続可能な緑化とは





最後に
持続的な砂漠緑化である「緑化農業」をホホバで実践するため、私たちは阪大発ベンチャー、株式会社シモンドをサラヤ株式会社のご支援を得て立ち上げました。 2017年にエジプトでホホバ栽培を始めて、8年間続けています。

次回は、エジプトでのシモンドのホホバ栽培の現場についてご紹介したいと思います。